未来を哲学する

未知なる世界を探求、想像し、哲学的な視点から独自の考察を紡ぐブログです。

ソクラテスは何も書いていない

ふと、「女神の見えざる手」という映画を思い出した。

ソクラテスは賢人と言われながらも、自分は何も分からない、何も知らないのに賢人であるはずがないと主張していました。
そしてソフィスト(知識人・学者)ととの違いは何なのか、問答で突き止めようとし、その中でこの何も知らないことを知っているという「無知の知」という考え方を発見しました。そんなソクラテスですが、実は何も書籍を残していません。プラトンなどの弟子がその思想を本で伝えています。にもかかわらず、なぜ2000年以上も経った今でも彼の名前は有名なのでしょうか。
ソクラテスが70歳になった頃、「国家が信じる神々とは異なる神々を崇め、若者を堕落させた」といった罪状で告発され、最終的に死刑の審判が下されます。その後、牢獄に捕らえられたソクラテスは、友人から逃亡を提案されますがそれを拒否し、最終的に潔く自ら毒を飲み、死を迎えたと言われています。
ソクラテスは「ただ生きる」ことではなく、「善く生きる」ことを信条としていました。不正に生きながらえるよりも、正義に則って生きることが価値あることだったのです。だからこそ、彼は自身で著作していないのにもかわわず、弟子たちによって後世にその思想と生き様を伝えられているのだと思います。
私も若い頃は何が何だか分からないままひたすら走り続けていましたが、時間の共に立場や会社が変わっていき、かりそめの会社の論理も嫌というほど見てきました。なので、今は社長であろうが取締役であろうが、間違っていると思ったら間違っていると主張するようにしています。かなり危険ですが。いつか良い会社を作ってやろう、本当の意味で社会を良くしてやろう、善く生きていこうと心に留めて生きていこうと思います。