昨今、AGI(Artificial General Intelligence)いわゆる人工汎用知能が盛んに議論されています。
Reutersによると、今回のOpenAI CEOアルトマン氏の解任騒動もAGIが一端であり、取締役会の一部とアルトマン氏がAIの安全性をめぐって対立したからだと報じられています。
オープンAIの研究者、アルトマン氏解任前にAI巡りリスク指摘=情報筋 | ロイター
この発端になったと思われるのが「Q*(キュースター)」というプロジェクト名で進められている新たなAI開発プロジェクトで、AGIへの重要な一歩と見なされています。
AGIは、特定のタスクに特化したAIではなく、人間の知性を超える汎用的な知能を持つAIで、人類に対する潜在的な脅威をもたらす可能性があるとも言われています。
もし仮にChat-GPTのように、突如AGIが世に躍り出て、当たり前の世界になったらどうなるのでしょうか?
皆さんはシナリオプランニングをご存じでしょうか?
シナリオプランニングは未来の不確実性に対処し、異なる可能性に備える戦略的な計画手法です。
将来的に起こり得る可能性を複数のシナリオとして描き、組織や個人の進むべき道や具体的な対処を決めるためのフレームワークです。私も過去に研修を受けたことがあります。
今回、このAGIのテーマでシナリオプランニングをやろうかと思いましたが、時間ないので、私なりに想像したことを列挙するに留めました。
ほとんどSFの世界ですが・・・
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会社貸与のAGIを利用して業務をこなすことが日常となる(退職したら返却)
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Issueを発見し、それを正確にAGIに伝えることが重要なスキルに
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知識ではなく、アイデアを生み出し実現していく力が問われる時代に
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多様な経験をさせ、AGIを賢く育てることも一つのスキルに
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効率的に育てるために、AGIを教育するAGIを生み出される
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賢いAGIは高値で売買される
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裕福なものは経済力を使って賢いAGIを育てることになるため、貧富の差の拡大
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膨大な計算リソースが必要であるため、Cloudプラットフォーマーがインフラに
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AGIによって大量のコンテンツが指数関数的に生成される
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人間は大量のインプットを消費しきれないため、AGIにより選別された情報が効率的に取り込まれる(場合によってはBMI:Brain Machine Interfaceで直接脳に)
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多様なインプットの組み合わせを創発し、試し続けることが生き残りをかける
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3Dプリンターは必需品に。買うよりより良いものを自分で製造する時代になり、設計図の売買が盛んに
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あらゆるものが自動化され、個人によるアクションは限定的になり、判断のみ残る
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AGIはパーソナライズ(人格の酷似)され知的労働も行う
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AGIがなければ実質生活ができなくなる時代に
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リアルな人との関わり合いは限定的に(Motivationが持てるCommunityのみ行動)
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将来的に超AGIが生み出される(育て方によって善悪の偏りが発生)
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AGIによって政治を行う国が誕生
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AGIによって新しい国が誕生
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リスクがあるため、国によって個人のAGIを一定程度コントロールできるように(国家による民衆の洗脳も不可能ではない?)
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コントロールを回避するサービスが出現
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データの消去はほぼ不可能
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非労働時間(余暇)が増加
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新しい体験、創作の欲求や精神性の探求が盛んに
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体験:地球外も含め新しい体験を追求 劣悪な環境 (極寒、 灼熱、 深海、 地底等)の体験
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創作:音楽、アート、物など、自分で作り出す楽しさを追求(与えるのはアイデアで作るのは機械?)
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宗教・哲学:人間の在り方を問う研究が発展
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食の変化
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完全栄養食の主食化
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自然食品の高級化(AGIにより誰でも効率的に生産できるが、環境の良い土地が必要)
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土地を持つものは自給自足生活にシフト?
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土地資源の価値が上がる(良い環境)
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住みやすい環境(生産地もしくは生産地に近い)
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データセンター好立地(寒冷?)
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エネルギーが大きな課題に
整理していないので、根拠もなく思いつくまま書いてみました。
この世界では現在の資本主義ではなく、新しい何か(新資本主義?社会主義?Hybrid?)になっているんでしょうね。
そうなるとGDPの物差しではなく、また違う尺度の物差しができているんでしょうか。
書いてて思ったのですが、個人が与える知識と経験でAGIも反応の偏り(人格)が出るのだとしたら、人間と同じではないかとふと思いました。
とすると、AGIの記憶が飛んだら、人間の記憶喪失のように、人格も最初に戻るのですかね。