未来を哲学する

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中国故事成語:虎を画きて狗に類す

今日は故事成語の気分。中国故事成語に興味があり、その本の中からピックアップしてみました。

 

「虎を画きて狗に類す」とは、「虎を描こうとして失敗して、かえって犬に似たものを描く」という意味の故事成語です。

物事をよく理解せずに、安易に真似をすると、かえって失敗することがあるという教訓を表しています。

語源は、漫画のキングダムでも有名な中国の秦の始皇帝の時代、韓非子*が始皇帝の命令で虎の絵を描いたところ、失敗して犬の絵を描いてしまったという故事から来ていると言われています。
*ちなみに韓非子はこの時代でとても重要な役割を果たした人物で、いつかブログで取り上げたいと思います。

当時の秦は、中華統一を成し遂げたばかりの強大な国家であり、始皇帝は、韓非子に虎の絵を描かせ、それを宮中に飾って、自らの権威を誇示しようと考えました。

しかし韓非子は、虎の姿をじっくりと観察して、その特徴を理解することなく、単に見た目だけを真似して、絵を描いてしまいました。

その結果、韓非子が描いた絵は、虎ではなく、犬に似たものになってしまったのです。

現代社会においても、この教訓は通じるものがあります。

例えば、ビジネスにおいて、成功している企業のやり方を安易に真似しても、自社の事業内容や環境に合わない可能性があるため、失敗する可能性があります。

また、資格試験や語学試験などの勉強においても、きちんと理解せずに、過去問を暗記するだけでは、合格できないでしょう。(身に覚えがありますが)
私は今まで多くの経営者の方に仕えてきました。

とても優秀な方もいれば、それこそネットで落ちている上辺だけのノウハウを真似るだけで、中身のない経営をされている方もいます。

このように、物事を成功させるためには、しっかりと理解したうえで、適切な方法で取り組むことが大切だと、最近つくづく実感します。自戒も含め。